公園の概要

 千葉県立行田公園は船橋市の北西部に位置し、有名な中山競馬場から2kmほどのところにあります。周辺の地図を見ると分かりますが、ここは円形の区画の中にある、扇形をした公園です。この円形の土地には、大正時代の初めに旧海軍の無線基地が造られました。その後、1941年12月、太平洋戦争開戦へと突き進む日本は、この場所から、連合艦隊司令長官による有名な暗号電文「ニイタカヤマノボレ」を伝達したといわれています(これには諸説あるようです)。戦後、この土地はアメリカ軍の管理地となっていましたが、昭和41年に日本に返還されました。この無線基地跡地の約53ヘクタールのうち、約11.9ヘクタールについて、千葉県が国より無償貸付を受け、昭和47年から都市公園として整備し始め、昭和52年度に一部がオープン、昭和54年度に全域が開園しました。

 現在の行田公園は、周囲を高層住宅や学校施設に囲まれた、緑豊かなオープンスペースとなっています。公園は大通りによって東西に分かれており、歩道橋で結ばれています。東側には大きな芝生広場があり、とても開放的な気分を味わえます。一周約1kmのサイクリングロードは、ウォーキングやジョギングをする人たちの名所になっています。この他に東側には、藤棚付きのイベント広場やレストコーナー、子供向け遊具のあるワンパク広場などがあり、全体として動的なイメージの空間となっています。一方、西側には、水生植物を配した日本庭園や、夏期に涼しげな流れを楽しむことのできるカナールなどがあり、全体として静的なイメージの空間となっています。日本庭園の池に面したベンチでの読書や、のんびりとした散策におすすめの場所です。

 公園全体は樹林に囲まれており、100種類ほどの樹木があります。樹齢30年を超え、高さ20メートルほどに成長した樹林には、落ち着いた趣があります。いわゆる雑木林の木として知られるコナラも多く含まれ、自然度の高い公園となっています。夏には数種類のセミたちがつぎつぎと羽化し、日本庭園の池には鳥たちが訪れ、カワセミが姿を見せることもあります。街の中にありながら、自然を感じることのできる貴重な緑のオアシスとして、広く県民の方々に親しまれています。
 
☆ 「藤木園緑化土木(株)・(有)共栄緑化」グループは、千葉県立行田公園の指定管理者として、
       平成18年4月より、行田公園全体の維持管理・運営を担当しています。